本記事では、「商社株の特徴」をテーマに5大商社の業績を比較していきます。
2023年に入り5大商社の株価は大きく上昇。
このため、新たに商社株の購入を検討している方も少なくないでしょう。
商社株は「高い配当利回り」、「割安なPBR」という魅力があります。
一方、景気敏感株であり為替や市況の影響を大きく受ける点は注意が必要です。
このため、商社株のメリットばかりでなくデメリットの部分も理解しておきましょう。
【当サイト推薦】moomoo証券アプリ
企業評価、アナリスト評価をアプリで確認
テクニカルデータやシグナルも無料で閲覧可能(新たな買い時を判断するの最適)
口座開設不要かつ無料で使える金融情報アプリのため、気軽に使用感をチェックしてみよう!
商社株4つの特徴
まずは商社株の特徴チェックしましょう。
商社株の特徴とは?
具体的な特徴は以下4つです。
特徴①市場評価は割安な数値
商社株は万年割安な株価と言われています。
PERとPBRは以下の通りです。
(2023年4月18日時点)
PER | PBR | |
伊藤忠商事 | 8.3倍 | 1.4倍 |
三菱商事 | 6.4倍 | 0.9倍 |
丸紅 | 6.1倍 | 1.2倍 |
三井物産 | 6.3倍 | 1.1倍 |
住友商事 | 5.7倍 | 0.8倍 |
日経平均PER:13倍前後
日経平均PBR:1.2倍前後
このため、PER(株価収益率)は特に割安な数値と言えるでしょう。
三菱商事及び住友商事については、1倍を下回るPBRを付けています。
商社株が割安な理由
商社株が割安な理由は以下3点です。
- 事業が多岐にわたり業績予測が読みづらい
- コモディティ相場の影響を大きく受ける
- 子会社からの持ち株配当はコントロールできない
自社でコントロールできない要素が多く、リスクが高いと評価されているのが割安で放置される理由です。
特に、為替や先物市場の影響が大きく受ける点は課題と言えるでしょう。
また、事業規模が多岐に渡り正しく財務分析を行うのも簡単ではありません。
特徴②魅力的な配当利回り
商社株は高配当として魅力があります。
5大商社の配当利回りは以下の通りです。
(2023年4月時点)
配当利回り | |
伊藤忠商事 | 3.1% |
三菱商事 | 3.6% |
丸紅 | 4.0% |
三井物産 | 3.1% |
住友商事 | 4.7% |
但し、2023年に入り商社株は好調な株価を付けており、配当利回りは下落傾向にあります。
日本を代表する大企業かつ高配当株であるため、長期保有をする投資家も少なくありません。
特徴③商社株は景気敏感株
商社株は資源事業の比率が高く、原油・石炭・天然ガスなどの価格影響を大きく受けます。
また、輸入商品の取り扱いであるため為替の影響も軽視することができません。
自社でコントロールできない要素が多数ある点は課題と言えるでしょう。
特徴④ウォーレン・バフェットも注目
投資の神様と言われる「ウォーレン・バフェット氏」は日本の5大商社株の買い増しを発表しています。
バフェット氏は2020年に、日本の5大商社の株式をそれぞれ5%取得
今後9.9%まで投資していく方針を発表
本発表を受けて、5大商社の株価は更に上昇。
現状の株価は割安な状態であり、更なる業績の向上を期待していることが見て取れます。
商社株の株価上昇を押し上げている1つの材料と言えるでしょう。
総合商社のビジネス内容
総合商社は就職人気ランキングでも常に上位を獲得しており、日本を代表するエリート集団と言えるでしょう。
三菱商事の社員数は単体で5,000人超え、連携で80,000人超えであり、一言で商社の仕事を解説するのは簡単ではありません。
このため、大まかな仕事のポイントのみ解説をします。
①トレーディング
商社の仕事は中間業者として売主と買主を結ぶことにあります。
- 売主:商品を世界に販売したい
- 買主:良い商品を安く購入したい
こんな双方のニーズを繋ぐのが商社の仕事であり、売主と買主より手数料を得るのがビジネスモデルと言えるでしょう。
代表的な取扱いアイテムは以下の通り
- 金属(鉄鉱石、石炭、ウラン)
- 繊維資材
- エネルギー(原油、石油製品、LPG)
- 食料(小麦、大麦、とうもろこし)
- 機械(自動車、船舶など)
担当するアイテムにより商習慣や金額が大きく異なるのも商社の特徴です。
②事業投資
生産から消費に関わる企業を子会社化することで、グループ収益拡大を図っています。
(参考)国内大手コンビニの事例
- 三菱商事:ローソン
- 三井物産:セブンイレブン
- 伊藤忠商事:ファミリーマート
現在、大手コンビニは総合商社が経営に参画しています。
コンビニで販売されているカウンターコーヒーのコーヒー豆は経営参画をしている総合商社からの購入
事業投資を行うメリットの1つと言える
5大商社業績、配当【比較】
5大商社業績比較は以下の通りです。
本業績比較はバフェットコードを利用しています。
①時価総額
時価総額 | |
三菱商事 | 72,867億円 |
伊藤忠商事 | 66,226億円 |
三井物産 | 66,161億円 |
丸紅 | 33,059億円 |
住友商事 | 30,725憶円 |
5大商社すべて3兆円を超える時価総額であり、日本を代表する大企業と言えるでしょう。
2020年には「伊藤忠商事」が時価総額TOPを取るも、2021年以降資源価格高騰の影響で三菱商事が1位に返り咲いています。
- 三菱商事
- 伊藤忠商事
- 三井物産
上記3社は商社株TOP3であり、特に注目する企業と言えます。
②売上
売上 | |
三菱商事 | 172,648億円 |
伊藤忠商事 | 122,933億円 |
三井物産 | 117,575億円 |
丸紅 | 85,085億円 |
住友商事 | 54,950億円 |
「三菱商事」、「伊藤忠商事」、「三井物産」3社は売上10兆円超え。
ロシア、ウクライナ戦争による石炭、鉄鉱石などの資源価格高騰が売上を上昇させた要因です。
③当期純利益、利益率
当期純利益 | 利益率 | |
三菱商事 | 9,375億円 | 5.4% |
伊藤忠商事 | 8,202億円 | 6.7% |
三井物産 | 9,147億円 | 7.8% |
丸紅 | 4,243億円 | 5.0% |
住友商事 | 4,636億円 | 8.4% |
2022年3月期は資源価格の高騰で各社とも純利益が過去最高を記録。
2023年も純利益を伸ばす予測から、商社株は上昇が続いています。
④PER、PBR、ROE
PER | PBR | ROE | |
三菱商事 | 6.4倍 | 0.9倍 | 11.8% |
伊藤忠商事 | 8.3倍 | 1.4倍 | 17.3% |
三井物産 | 6.3倍 | 1.1倍 | 14.9% |
丸紅 | 6.1倍 | 1.2倍 | 15.5% |
住友商事 | 5.7倍 | 0.8倍 | 12.6% |
PER:各社割安な水準
PBR:三菱商事、住友商事は1倍を下回る数値
ROE:各社10%を超える優良数値
ROE(自己資本利益率)は、投資家が投下した資本に対し、企業がどれだけの利益を上げているかを表す重要な財務指標です。
伊藤忠商事はROEの数値が過去から高く、効率良く利益を上げる体制が整っています。
但し、資源高の影響も受けておりあくまで現時点の数値として取扱いをしましょう。
⑤配当利回り、配当性向
配当利回り | 配当性向 | |
三菱商事 | 3.6% | 23.6% |
伊藤忠商事 | 3.1% | 19.7% |
三井物産 | 3.1% | 18.4% |
丸紅 | 4.0% | 25.2% |
住友商事 | 4.7% | 29.7% |
各商社配当余力は十分にあります。
但し、各社最高益を出している点も考慮して判断しましょう。
⑥自己資本比率
自己資本比率 | |
三菱商事 | 35.1% |
伊藤忠商事 | 34.8% |
三井物産 | 39.3% |
丸紅 | 33.6% |
住友商事 | 36.0% |
上記ポイントと比較すると、商社株の自己資本比率は低い傾向にあると言えるでしょう。
- 固定資産が少ない
- 契約在庫など流動資産が多い
という、ビジネスモデルのため商社株は自己資本が低い傾向にあります。
このため、自己資本比率の低さはあまり意識するポイントではありません。
【結論】5大商社でおすすめの銘柄は?
2021年であれば「配当性向」、「ROEの高さ」から伊藤忠商事ですが、2023年現在賛否が分かれる状況です。
このため、以下を参考に投資銘柄を決定してみましょう。
①伊藤忠商事
以下、伊藤忠商事5年チャート
安定した右肩上がりのチャートを形成。
また、増配が続く点も魅力と言えるでしょう。
一方、配当利回りは順調な株価上昇の影響もあり5大商社では最も低い3.1%。
過去4年では2回のみ配当利回り4%を超えています。
このため、「4%」を超える機会があれば積極的に狙ってみてはいかがでしょう。
②三菱商事
商社株で最大手企業に投資をしたい方は三菱商事が候補にあがります。
以下、三菱商事5年チャート
2020年以降好調な株価推移が続いています。
このため、三菱商事を購入したくても買い時が掴めないと感じている投資家も少なくないでしょう。
また、配当金が増配傾向にある点も強みです。
過去4年の配当利回り推移では6%を超える場面も存在します。
5%を超える場面では、購入を検討してみてはいかがでしょう。
③三井物産
以下、三井物産5年チャート
2021年以降好調な株価推移となっています。
また、2020年以降増配に力を入れている状況です。
過去4年の配当利回りでは、5%を超える場面が存在します。
4.5%を超える配当利回りの場面では、積極的に購入を検討してみてはいかがでしょう。
結論、投資家の考え方次第ですがROEでは「伊藤忠商事」に軍配があがります。
続いて、商社NO.1の時価総額を誇る「三菱商事」、利益率の高い「三井物産」にも注目してみましょう。
「商社株」購入前に財務分析を実施しよう
投資企業は株価だけで判断するのではなく、財務分析をする必要があります。
但し、「財務分析のやり方が分からない・・・」という方も少なくないでしょう。
そこで、おすすめなのが財務分析アプリ「moomoo」の活用。
「moomoo」は、2022年10月27日誕生した新しい次世代型金融情報アプリです。
日本での知名度は高くありませんが、世界では1,900万人以上のユーザーがmoomooのアプリを利用。
革新的なサービスとして世界の投資家に認められているツールです。
- 日本株、米国株のスクリーニング
- 日本株、米国株の財務分析
- シミュレーション取引が可能
moomooを利用すれば、長期チャートはもちろん約定分析が可能。
企業分析に強く、売上構成、主要株主、配当など情報取得ができます。
その他、「銘柄スクリーニング」、「ヒートマップ」など株のトータル管理に対応。
ここまでの情報量ながら、完全無料で利用できるためユーザーにデメリットはありません。
スマホに入れておけば、手軽に企業分析がいつでも出来るため抑えておきましょう。
➤「moomoo証券」を無料でダウンロードする
※IDを取得すればすぐに利用できます
moomoo
posted withアプリーチ
商社株の特徴【まとめ】
本記事では商社株の特徴、5大商社の業績比較を解説しました。
5大商社を比較すると、安定性の点では「伊藤忠商事」、「三菱商事」がおすすめです。
株スクリーニングアプリを活用して、ターゲットの配当利回りになった際購入を検討してみてはいかがでしょう。
但し、景気敏感株であるためセクター分散を行うことも忘れずに実施することが大切です。
以上、商社株特徴まとめでした。
【関連記事】無料で使える株スクリーニングアプリを紹介しています。
【関連記事】理想的なアセットアロケーションについて解説しています。
【関連記事】高配当株の買い時について解説しています。