本記事では、「ポートフォリオにリートを入れるべきか?」をテーマに必要論・不要論を比較して解説します。
リートは、不動産を投資対象として組み入れた投資信託です。
投資家の銘柄選定が不要であり、高い分配利回りが受け取れる点が魅力と言えます。
一方、全世界株式や全米株式などが注目されている中、リート投資はあまり知名度が無く「よく分からない」という方も少なくないでしょう。
うまくポートフォリオに組み込むことで、分散性を高めると同時に利回りを上げることにも繋がります。
このため、正しくメリット、デメリットを理解しリート投資を検討してみましょう。
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REIT(リート)はポートフォリオに「不要派」5つの理由
まずは、リート投資は不要と言われる理由を解説します。
①地震・災害の地政学リスクに弱い
リートは現物の不動産へ投資をしているため、地震・災害によるリスクに注意が必要です。
日本は世界4位の地震大国と言われており、今後大きな被害が予測されている「南海トラフ地震」も軽視することはできません。
株式であれば、災害に対する復興特需が期待される銘柄もある一方、リートの地政学リスクは大きな課題と言えるでしょう。
②株式にも不動産セクターがある
株式にも多数の不動産セクターがあるため、リートへの投資は不要と考える方も少なくありません。
- 三菱地所
- 三井不動産
- 東急不動産
- 野村不動産
- オープンハウス
物件の販売と賃料ではビジネスモデルが異なるも、不動産市況の影響を大きく受ける点は同じです。
このため、指数に連動するインデックスファンドを購入している方は、不動産セクターへも投資をしている点は理解しておきましょう。
③人口減少により将来的な不動産市況に課題
J-REITの場合、日本の人口減少は大きな課題です。
地方を中心とした空き家問題が注目されており、将来的に想定してる賃料が得られない可能性があります。
このため、リート投資を検討する方は今後の不動産市況を考えることが大切です。
④株式と比較して利益は限定的
リート投資はミドルリスク・ミドルリターンのアセットと言われています。
個別株であれば、業績次第でテンバガー(株価10倍)になる銘柄が稀に発生。
株価2倍であれば、短期間で発生することも珍しくありません。
一方、リート投資は現物資産であるため大きな上昇は期待できない点は注意が必要です。
⑤現物不動産と比較して魅力に劣る
不動産現物への投資であれば、築古物件を中心に高い利回りが期待できる場合があります。
また、「売主都合での早期売却」、「リフォームによる利回り増加」などベテラン投資家であれば大きな利益を上げることも可能です。
一方、リートは投資ファンド側が物件を選定しているため、正しく投資物件を選定~購入できる投資家と比較すると魅力が劣ります。
REIT(リート)はポートフォリオ「必要派」5つの理由
続いて、リートがポートフォリオに必要と考える方の理由を確認しましょう。
①相関係数が低いアセットである
リートは他の金融商品と比較して相関係数が低いアセットと言われています。
相関係数が高いアセットをいくら分散させても、本質的な分散投資とは言えない
例:世界株式と米国株式の相関係数は高い
jpmorgan資産相関係数より引用
このため、ポートフォリオの分散性を高める目的にリートを保有するのも良いでしょう。
②高い分配利回りを実現
リートへの投資は株式と比較して高い分配利回りを受けることができます。
J-REITの分配金利回りは、過去10年3.0~4.8%
一方、株式の1.5%~2.7%とREIT投資の平均分配利回りは魅力
一方、リートはミドルリスク・ミドルリターンの投資商品であり、インカムゲインを目的とした手法である点は理解しておきましょう。
③少額から投資が可能
REIT投資は、投資信託であり1口1万円程度から購入することができます。
少額から投資が可能であり、ポートフォリオの一部で保有しやすい点は魅力です。
④物件選定が不要
リート投資はファンド側が優良な物件を選定しています。
都内の数十億円を超える物件を個人が購入するのは困難であることを考えると、リートを活用する魅力と言えるでしょう。
不動産投資において、ワンルームマンションを高額な価格で販売する業者が問題視されている
節税や将来の資産形成などの謳い文句で販売が行われるが、一度判断を誤ると人生設計を大きく壊してしまうことになる
(参考)マッチングアプリを活用したワンルームマンション販売
⑤いつでも売却が可能
現物不動産投資の課題として、「出口に苦労する」という場合も少なくありません。
いざ売却をしようと思って、買い手が見つかるまでに時間が掛かり「売りたくても売れない」というシーンもあるでしょう。
一方、リートは市場を通していつでも売却が可能であり、出口戦略が容易である点は魅力です。
REIT(リート)を購入する際のポイント
実際にリートを購入する際は以下3点を理解しましょう。
- ポートフォリオの5%~10%に留める
- 不動産セクター毎のリスクを理解
- 投資対象エリアを把握
順番に解説します。
①ポートフォリオの5%~10%に留める
リートにはメリット、デメリットがあるも、ポートフォリオの利回りを高めることができる投資商品です。
また、株式との相関係数が低く分散性を高める効果があります。
一方、株式と比較して収益性は限定的であり地政学リスクが課題です。
このため、ポートフォリオの主力になる商品とは言えず「5%~10%」など一部に留めるのが良いでしょう。
②不動産セクター毎のリスクを理解
不動産セクターと言っても様々な投資対象があります。
- 賃貸住宅
- ホテル
- 商業施設
- 物流施設
- オフィス
セクター別にリスクと不確実性が異なるため、投資前に必ず理解しておきましょう。
賃貸住宅においては、需要があるエリアであれば安定した収益が期待されます。
一方、景気影響を大きく受ける「オフィス」、「ホテル」などへの投資はリスクが高い点は注意が必要です。
リート商品を選択する際は、投資セクターをチェックすることが大切
リスクと利回りは相関関係にあり、高い利回りだけを見た投資は危険と言える
③投資対象エリアを把握
日本は少子高齢化が課題であり、地方を中心に空き家増加が問題視されています。
一方、東京一極集中は継続しており都内のマンション価格の高騰についてニュースを見た方は少なくないでしょう。
不動産バブルという言葉も見られるようになりましたが、今後も東京における賃貸需要の高さは継続することが予測されます。
このため、リート商品の投資エリアも確認した上で投資を判断しましょう。
筆者がリートを購入するのであれば、東京都23区に投資がされている商品を選択する
不動産クラウドファンディングの活用もおすすめ
リート投資を検討している方は、不動産クラウドファンディングの活用も検討してみましょう。
不動産クラウドファンディングとは、インターネット上で出資者を募集し、運営会社が不動産事業を行います。
不動産クラウドファンディング | J-REIT | |
投資対象 | 収益物件、開発案件など様々な投資が可能 | 主に収益物件が中心 |
価格変動 | 日々の値動きはない | 日々の値動きがある |
不動産の選定 | 物件をチェックできる | 物件のチェックはできない |
分散性 | 低い | 高い |
売却 | いつでも可能(但し、手数料あり) | いつでも可能 |
投資額 | 1万円から投資可能 |
日々の価格変動はなく、実際に物件詳細をチェックできる点が魅力です。
- 1万円から投資が可能
- いつでも換金可能
- 優先劣後構造で 投資家を保護
数億を超える都心の物件に手軽に投資をするのは困難であるため、サービスを活用した投資を検討してみるのも有効です。
直近の募集物件も掲載されているため、ホームページを確認してみるのが良いでしょう。
(公式)COZUCHI公式サイト
ポートフォリオにリートを入れるべきか?【まとめ】
本記事では、「ポートフォリオにリートを入れるべきか?」をテーマに必要論・不要論を比較して解説しました。
リート投資は、高い分配利回り、株式と異なる相関係数など魅力があります。
一方、インカムゲインをメインとした金融商品であるため、ポートフォリオの主力にはおすすめできません。
このため、全体の5%~10%程度リートへの投資を検討してみるのがおすすめです。
以上、「ポートフォリオにリートを入れるべきか?」まとめでした。
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