投資知識

【疑問】「株価1円で買える株は存在するのか?」1円銘柄の注意点を解説

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悩み人
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1円で購入できる株は存在するのだろうか?

本記事では、「株価1円で買える株は存在するのか?」をテーマに購入する際の注意点と特徴を解説します。

「1円で購入し2円で売れば資産が倍になるのでは?」と、一度は考えた方も多いのではないでしょうか。

POINT

1円株に100万円投資をして、2円になれば100万円の利益を得る

短期間でダブルバガーを狙えると利ザヤを狙う投資家が存在

結論、株価1円の銘柄購入は不可能ではないも利益を上げることは困難な現実があります。

最悪保有株が「紙切れ」になるリスクもあるため、本記事の注意点をチェックしておきましょう。

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「株価1円銘柄」3つの注意点

まずは株価1円銘柄の注意点をチェックしましょう。

順番に解説します。

①値幅制限は30円

日本株には、値動きの幅を価格水準に応じて制限を設けています。

値幅制限一部抜粋
基準値段 制限値幅
100円未満 上下 30円
200円未満 50円
500円未満 80円
700 円未満 100円
1,000円未満 150円
1,500円未満 300円
2,000円未満 400円
3,000円未満 500円
5,000円未満 700円
7,000 円未満 1,000円
10,000円未満 1,500円

引用:内国株の売買制度 | 日本取引所グループ

POINT

100円未満の銘柄は「制限値幅30円」に設定されている

株価1円の銘柄を購入し、サプライズ情報が発表された場合「1円→30円」になる可能性があります。

一方、30円で購入した株が1円になる場合もあるため、投機的なトレードであると言えるでしょう。

②1円株は上場廃止リスクが高い

ボロ株の中でも1円の株価を付ける銘柄は、当然ながら上場廃止リスクが極めて高い状態にあります。

「疑義注記」となっている銘柄がほとんどであり、リスクについては正しく理解しておきましょう。

疑義注記とは?

疑義注記(ぎぎちゅうき)とは、「継続企業の前提に関する注記」のこと

連続した赤字や売り上げの著しい減少により、事業の継続に問題が生じた場合、財務諸表などに注記することが義務付けられる

保有株が紙切れになるリスクには注意が必要と言えます。

③マネーゲームに利用される

株価1円銘柄は短期的な利ザヤを目的としたマネーゲームが行われる場合があります。

POINT

サプライズニュースを期待した買いはもちろん、特に市場のニュースが無くても思惑から急騰する場合がある

例:イーター電機

イーター電気はスイッチング電源を販売。

2016年3月末に2回目の債務超過となり、ジャスダック市場から上場廃止が決定。

イーター電機のマネーゲームは以下の通りです。

5月18日 債務超過が発表され売りが殺到 株価55円⇒24円
6月24日 上場廃止が決定
6月27日 株価9円からマネーゲーム開始
7月6日 株価35円に(1週間で4倍)
7月22日 上場廃止 株価6円

イーター電機チャート6月27日株価9円からの突然のマネーゲームで株価は4倍。

株価が上昇する情報は一切なく、短期的な利ザヤ狙いの買いが集まりました。

上場が維持されていれば株価1円を下回ることはないため、特に買いが集まりやすい株価と言えます。

株価1円で買える銘柄は存在するのか?

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株価1円で買える銘柄は存在するのか?

について、以下の通り解説します。

①20円以下の銘柄は複数存在

2024年7月時点20円以下の銘柄は以下の通りです。

銘柄 株価
ランド 8円
ジャパンディスプレイ 18円
キムラタン 18円
RISE 18円
KOZOホールディングス 20円

ランド6ヶ月チャート

20円以下の銘柄は複数あるも、株価1円で購入できるタイミングは限定的です。

②上場廃止銘柄に見られる

上場廃止が決定した銘柄は1円を付ける特徴にあります。

2012年に上場廃止した「山水電気」は、1円の株価で上場廃止。

POINT

数年前から株価1~3円のレンジ銘柄として有名

このため、株価1円銘柄を狙う場合上場廃止銘柄をチェックするのが良いでしょう。

株価1円で株購入は簡単ではない3つの理由

「株価1円で株を購入する」というのは、簡単なことではありません。

その理由を以下3点で解説します。

①単元未満株を活用した1円購入はほぼ不可能

単元未満株取引は指値注文に対応しておらず「成行」のみ対応。

成行注文では1円の注文が成立することは難しく、「1円の銘柄を1株だけ買う」というのはほぼ不可能と言えるでしょう。

また、上場廃止が決定した銘柄は「整理銘柄」→「管理銘柄」へ移行されます。

整理銘柄へ移行された段階で、単元未満株取引ができなくなる点も1円銘柄を1株だけ買うことの難しいと言われるポイントです。

②注文は時間優先、価格優先の原則

株式の売買には「時間優先」、「価格優先」の原則があります。

価格優先の原則

指値注文より成行の方が優先されて売買が成立をする

また、指値注文の場合値段が高い注文を優先する

時間優先の原則

同じ価格での指値注文である場合、注文時間が早い順に売買が成立する

株価1円というは、上場企業のおける最も安い株価であるため利ザヤを狙った買い注文が大量に並ぶことになります。

このため、よほどの不人気銘柄でないかぎり個人投資家が1円で株を購入するのは簡単ではありません。

③1円の売りあって初めて売買が成立する

1円株を購入する場合、1円の売りがあって初めて売買が成立します。

株価の下限である1円は、マネーゲームとして多くの注文数が板に並ぶことも珍しくありません。

一方、2円、3円で購入した株主が1円で売却をするのは損切りをする形になります。

上場廃止まで数日であれば売買が成立することがあるも、通常時1円で売買が成立するのは難しいと言えるでしょう。

【注意】株価1円を狙ったトレードはおすすめできない

1円で株を買って2円で売れば資産が倍になるというのは理論的に合っているも、極めてリスクが高い取引と言えます。

過去のマネーゲームの実例をチェックしてみましょう。

(参考)タカタのマネーゲーム

6月16日 民事再生法申請の情報流出
6月26日 民事再生手続き開始
7月7日 株価15円からマネーゲーム
7月14日 株価153円(10倍に)
7月26日 株価18円で上場廃止

タカタチャート

POINT

7月14日以降1週間で株価は10倍(15円→153円)になるマネーゲームを見せた

一方、注目するべきはの最終株価(18円)の安さです。

財務を無視したマネーゲームが繰り広げられ、最終的には売却ができずまさに紙クズになってしまう場合も少なくありません。

ギャンブル的な投機トレードであるため、資産形成を目的としている投資家は株価1円銘柄は触るべきではないと言えるでしょう。

【注意】株式上場廃止で起こるマネーゲームとは?│夢はあるも触るな危険 本記事では「株式上場廃止で起こるマネーゲーム」をテーマに過去の事例と注意点を解説します。 個別株の大きなリスクとして挙げら...

【参考】名古屋ドル紙幣ドル紙幣ばら撒き事件

リスクとリターンは表裏一体であり、株価1円銘柄で大金を稼いだ投資家も存在します。

POINT

足利銀行のマネーゲームに成功し7,000万円の利益あげた個人投資家

日銀による円売り・ドル買いの為替介入に腹をたて、1米ドルと旧100円紙幣総額約100万円をテレビ塔の屋上展望台から地上に撒いた

足利銀行株を1円と5円で合計600万株を購入。

マネーゲームにより15円まで急騰したタイミングで売り抜けています。

上記の通り、通常の銘柄では考えられない値動きを見せる点は株価1円銘柄の魅力といえるでしょう。

極めて高い取引であり最悪紙クズになるリスクがある点は理解が必要

リスクを抑えた株取引を行う3つの対策

株価1円銘柄を狙った投機トレードはおすすめできません。

以下、3つの対策を参考に正しい資産形成をするようにしましょう。

  1. 個別株の企業分析
  2. シミュレーションアプリ活用する
  3. 投資信託を購入する

対策①個別株の企業分析

購入前に企業分析を実施しよう

上場廃止基準として

  • 債務超過及び破産
  • 流通株式数、時価総額が基準を下回る

という基準があるため、「購入する企業の業績」は必ずチェックしておきましょう。

株のスクリーニングと聞くと難しく感じる方もいると思いますが、ツールを活用することで手軽に企業分析が可能です。

例:銘柄スカウターを活用した企業分析

PER、PBR推移を確認できる。

決算スケジュールが用意されており、発表を見逃すこともありません。

「マネックス証券」が提供するツールのため、気になる方は利用を検討してみましょう。

POINT

口座開設が必要であるも、情報量では銘柄スカウターの評価が極めて高い

特に、米国株、中国株を無料で財務分析できるのは他には無い強みと言える

無料で使えるツールのため利用を検討してみよう

マネックス証券の公式サイトをチェックする

銘柄スカウターの使い方は以下で詳しく解説しています。

【完全攻略マニュアル】銘柄スカウター使い方、評判を解説【米国株対応】 本記事では、「銘柄スカウター」をテーマに使い方、評判を解説します。 銘柄スカウターは、マネックス証券が提供する無料分析ツー...

対策②シミュレーションアプリ活用する

株取引の練習として、シミュレーションアプリの活用も検討してみましょう。

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対象銘柄も幅広く「東証一部、二部、マザーズ、JASDAQ」に上場している銘柄の購入が可能。

本物の株価を使用しているため、アウトプットをリスクなく行うことができます。

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対策③投資信託を購入する

再現性の高い投資をしたい方であれば、広く分散された投資信託の購入がおすすめです。

  • 日経平均
  • S&P500
  • 全米株式

など、指数に連動したインデックスファンドであれば、スクリーニングや株価チェックも不要。

安定した資産形成に向けて、投資信託メインに購入するという方法も検討してみましょう。

おすすめの投資信託は以下記事で解説しています。

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株価1円で買える株は存在するのか?【まとめ】

本記事では、「株価1円で買える株は存在するのか?」をテーマに購入する際の注意点と特徴を解説しました。

1円で株を買い2円で売れば短期間でダブルバガーを達成することできます。

但し、疑義注記銘柄や上場廃止直前での動きとなるのが一般的であり、最悪紙クズになるリスクがある点は理解が必要と言えるでしょう。

また、時間優先・価格優先の原則があり購入するのは簡単でありません。

資産形成とは言えない投機トレードであるため、知識として理解をし活用するべきではないトレードです。

以上、「株価1円で買える株は存在するのか」まとめでした。

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