本記事では、「ジェイコム誤発注事件」をテーマに発生した理由を解説します。
たった一度の誤発注により、みずほ証券は407億円の損失が発生。
度重なる注意喚起を促すエラーが合ったにも関わらず事件は起きてしまいました。
歴史的な事件であり、株式投資を行っている方は金融知識として当日の状況をチェックしていきましょう。
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ジェイコム株大量誤発注事件とは?
まずは、ジェイコム株誤発注事件の基本をチェックしておきましょう。
2005年12月8日みずほ証券担当者が誤発注を起こし巨額の損失を出した事件
誤発注の被害を受けたのは、人材派遣会社として上場した「ジェイコム」
このため、別名「ジェイコムショック」とも言われています。
ちなみに、インターネットやケーブルテレビの事業をしている「J:COM」とは別会社です。
ジェイコムは2011年「ライク株式会社」に社名変更し、現在総合人材サービスを行っています。
それでは、ジェイコム株大量誤発注事件について解説していきます。
まずは、誤発注の内容から・・・
- 正:1株61万円で売却
- 誤:1円61万株で売却
売却注文1株61万円を1円61万株と入力ミスをした形に。
結論、この入力ミスによりみずほ証券は407億円の損失が発生しました。
当時「誤発注を起こした社員のその後はどうなった?」と、様々な憶測が飛び交いましたが真相は不明です。
名前すら情報開示されておらず、SNSが発達していない当時であったことは不幸中の幸いと言えるでしょう。
とはいえ、定年になるまで事件の首謀者として扱われることを考えると「すぐに転職する」が正しい行動です。
大手企業ほど、一度出世のレールから外れると再起は難しいですから・・・
ジェイコム株大量誤発注事件が起きた理由
根本の原因は誤発注ですが、システム側の問題もありました。
上場開始から時系列で解説します。
- 上場日:2005年12月8日
- 市場:東証マザーズ
- 公募株式数:3,000株
- 公募価格:1株61万円
①9:00 強い買い気配でスタート
初値:67万2千円
人材派遣事業は、当時有望と判断されており10%高と順調な初値を付けた。
②9:27 突然61万株の1円指値売り注文
これがみずほ証券の誤発注です。
突然、61万株の売り注文が板に並び市場はパニック。
という疑問が残りますが、結論エラー表示はありました。
但し、エラー表示はスルーされ誤発注が行われています。
実勢株価とかけ離れた注文が行われた場合、再チェックを促すシステムが導入されていた
但し、このシステムは日頃からエラーが多く、担当者がいつものエラーと誤認し注文を継続
「ハイハイ、いつものエラー表示ね!」といったことが原因です。
③9:29 みずほ証券担当者 誤発注を認識!
注文から1分25秒後にみずほ証券担当者は誤発注を認識。
という疑問があると思いますが、システム側の問題がありました。
61万株1円という実勢株価とかけ離れた発注の場合、注文可能な株価へ調整するシステムが働く
これを「みなし処理」と言う
当時みなし処理中は、発注の取り消しが出来ないというシステムになっていた
おそらく担当者は鬼の形相で取消しボタンを連打していたでしょう・・・
④9:30 東証からみずほ証券に電話が入る
東証マーケットセンターから、みずほ証券に「誤発注じゃないですか?」と確認が入る。
東証はみずほ証券の「エクイティ部」へ連絡
但し、実際に誤発注を起こしたのは「金融法人部」担当者
ここで、エクイティ部内で「誰か誤発注してないか?」と確認作業をするも部署が異なるため問題が特定できなかった
これも被害を大きくした理由の1つです。
続けて、東証の担当者は異常な注文が起きている銘柄コードを伝えます。
しかし、ここでハプニング!
ジェイコム株4桁の銘柄コードを伝える所、誤って「自分の電話番号下4桁」を伝えるという失態。
これもタイムロスの原因です。
その後、みずほ証券内で問題が共有され「金融法人部」で問題が起きていることが判明。
金融法人部の「売り注文が取消しできない」という声に答え、「エクイティ部」で取消し注文するも同じくエラー。
現場はパニックに・・・
⑤9:30 ストップ安57万3千円に
3分後大量の売り注文により、株価はストップ安57万3千円に張り付く。
売り注文のキャンセルができずジェイコム株はストップ安となりました。
⑥9:35 再度東証よりみずほ証券に確認の電話
9:35みずほ証券は東証側に「誤発注」である旨を報告。
みずほ証券より「東証側で注文を取り消して欲しい」と要望。
それに対する東証側の回答は
との残念な回答に・・・
これも被害を大きくした理由です。
実は東証側には売買を停止する権利があった
但し、売買を停止する事は大きな問題であり、東証側はリスクを取ることを拒否したと言える
ここで、みずほ幹部は「自ら反対売買をするしかない」とジェイコム株を買い向かう判断を行う。
⑦9:43 大量の買い注文発生により株価はストップ高に
突然の大量買い注文に個人投資家も乗る形でジェイコム株はストップ高に。
以下、ジェイコムチャートです。
Wikipediaより引用
ストップ安からストップ高と個人投資家にとっても迷惑な話です。
- みずほ証券担当者が、「1株で61万円の売り」を「1円で61万株の売り」と誤発注
- 表示された警告を無視して注文実施
- みなし処理中は注文が取り消せないシステムに問題あり
- 東証側も売買停止の権利を持っていたが、リスクを恐れ行使しなかった
以上4点がジェイコムショックの要因です。
主な要因は、ヒューマンエラーであるもシステム側、東証側の問題もあった点は理解しておきましょう。
ジェイコム株大量誤発注事件で大儲けした投資家達
9:31頃からヤフー掲示板では以下コメント見られました。
- 大量の売り注文はなんだ?
- 誤発注か?
など異変に気付いた投資家の書き込みが始まる。
9:37頃誤発注を確信した投資家が
- 買い注文を入れた
- 絶対誤発注だ!
など反応。
そんな中、いち早く誤発注に気付き大金を稼ぎだしたトレーダーが誕生!
それが、投資家なら一度は聞いたことがある「BNF氏」です。
7,100株の株式大量取得し(発行株式数の45%以上)、数分で20億円もの利益を獲得。
当時「ジェイコム男」という名でマスコミからの取材が殺到していました。
BNF氏はジェイコム株だけでなく、株式投資で膨大な資産を築いています。
- 2000年10月:164万円
- 2000年末:280万円
- 2001年:6100万円
- 2002年:1億円
- 2003年:2億7000万円
- 2004年:10億円
- 2005年:80億円
- 2006年:150億円
- 2007年:165億円
- 2008年:200億円
一般人とはレベルが異なる資産額の上昇スピードです。
ちなみに、「ジェイコムショック」で証券会社も誤発注に気付き大きな利益を上げています。
但し、政府から「火事場泥棒的な行い」との発言も有り約209億円は返還されました。
ジェイコム株大量誤発注事件【まとめ】
本記事ではジェイコムご発注事件について解説しました。
①ジェイコムショックはみずほ証券担当者の誤発注が原因
②但し、システム及び東証側にも問題点があった
③問題を起こした担当者の行方は不明
④一部の投資家はこの事件で大儲けをした
⑤大きな利益を上げた投資家は情報量と判断力が素晴らしい
BNF氏のように素早く判断し対応できる投資家になりたいものですね。
以上、ジェイコム株大量誤発注事件でした。
動画でジェイコムショックを学びたい方は以下も合わせて確認してみましょう。
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