本記事では「高配当株の売り時」をテーマに損切りや利益確定を検討するべき5つの条件を解説します。
優良高配当株に投資をすれば、短期的な株価の変動に惑わされず安定した配当金を得ることが可能です。
このため、「高配当株は長期保有する」という投資方針を持っている方は少なくないでしょう。
一方、将来に渡りお金を生み出す高配当株を保有するには、定期的なメンテナンスが必要です。
また、明確に高配当株を損切りするべきポイントが存在するため「高配当株の売り時」を深掘りしていきます。
①高配当株の売り時は投資家の考え方により異なる
②「永久保有を続ける」というのも選択肢の1つ
③但し、明確に損切りを検討するべきポイントも存在
④高配当株の売り時を事前に決めておく
⑤定期的にメンテナンスを行うようにしよう
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「高配当株の売り時」は投資家の考え方次第
- 保有している株が半値になる
- 企業が減配を発表
- 減収減益が続く
など、厳しい状況が続いても「配当金がでるかぎり保有を継続する」という投資家は少なくありません。
高配当株を長期で保有することは、含み損を相殺させる効果がある
例:1株2,000円 配当利回り5%の株
税金を考慮せず考えれば、20年間保有することで配当金のみで取得単価をカバー
このため、少しずつ高配当株を購入し長期ホールドすることは「自身専用のお金の生る木」を保有している状態と言えるでしょう。
但し、こんな魅力のある高配当株にも明確に損切りを検討するべき「売り時」が存在します。
記事を参考に自身に合った売り時のルール化を設定してみましょう。
「高配当株の売り時とは?」損切り、利益確定を検討する5つの条件
高配当株の売り時を考えるポイントは以下の通りです。
①無配、減配を発表した時
配当金の「無配」、「減配」が発表された場合、売却を検討してみましょう。
特に無配の場合、明確な売り時と言えます。
- 連続増配が続く
- 安定的なビジネスモデルである
- 他社と比較して明確な優位性がある
など、安定した配当金が受け取れる企業へ投資をすることが大切です。
②企業不祥事を発表した時
マスコミで大きく取り上げられるような「企業不祥事」が発生した時は損切りを検討しましょう。
- 粉飾決算
- パワハラ、セクハラ
- 下請法違反
- 不正契約、不正融資
筆者としては「粉飾決算」をした銘柄は、どれだけ損失があっても損切りをするようにしています。
「見せかけの黒字」は投資家を騙す行為であり、そのような企業を長期に渡り保有することはできません。
例:7806MTG粉飾決算
(参考)株式会社MTGにおける四半期報告書の虚偽記載
粉飾決算の中には、悪意がなくミスの場合も存在。
但し、企業を挙げて粉飾決算を行っている場合、損切りをすることをおすすめします。
- かんぽ生命:保険不適切営業問題
- スルガ銀行:不正融資
- レオパレス21:建築基準法違反
なども、大きな企業不祥事と言えるでしょう。
これから高配当株を購入する方は、過去の不祥事のチェックをおすすめします。
③世の中のトレンドが大きく変化した時
2020年以降、緊急事態宣言の発令など目まぐるしく環境が変化。
「外出自粛」、「テレワーク」など生活スタイルが大きく変化したと感じる方も少なくないでしょう。
筆者も働き方は9割テレワークに変更され、毎日のように着用していたスーツを着る機会は減少。
結果、当時保有をしていた(8214)AOKIホールディングスの株を売却しています。
このため、当初想定していた未来から大きく世の中が変化した場合も損切りを検討してみましょう。
④ターゲットにしている目標株価になった時
高配当株投資家の中には、短期~中期で銘柄を変更する方も少なくありません。
このため、投資スタイルとして「目標株価になったら利確をする」というのも選択肢の1つです。
どれだけ優良企業であっても、市況全体が厳しい相場では大きく株価が暴落。
配当金を貰いながら含み損を耐え「目標株価になったら利確する」というのも検討してみましょう。
⑤保有株が恩株化した時
保有株が恩株化した場合も売却を検討するのも良いでしょう。
「投資コストが発生していない保有株式」を指す
A社の株式を200株 株価1,000円で購入
半年後株価は2,000円に上昇
株価2,000円で100株売却
「投資元本を回収」した100株が残る
この手元に残った株が恩株です。
あくまで売り時の例ですが「200株以上購入し2倍になったら半分売る」というのも検討してみましょう。
投資元本は既に回収しているため、精神面で安定して継続保有することができます。
【対策】高配当株の売り時が難しいと感じたら
「高配当株の売り時を考えるのは難しい・・・」感じたら以下対策も検討してみましょう。
- 米国高配当ETFの活用
- 日経平均高配当株50ETFに投資
- 単元未満株を活用した分割投資
特に、ETFであれば自動的にリバランスを行ってくれるため、投資家の判断が不要な点は強みです。
詳細を順番に解説します。
対策①米国高配当ETFの活用
売り時が難しい方は、「米国高配当ETF」の活用を検討してみましょう。
おすすめの米国高配当ETFは以下の通り
- VYM
- HDV
- SPYD
特徴と組入銘柄数は以下の通り
※スマホの方はスライドできます。
ティッカー | 特徴 | 銘柄数 |
VYM | 財務優良+分散性が高い | 約400 |
HDV | 財務健全性高い+分散性に課題 | 約75 |
SPYD | 配当利回りNO.1(リスク有り) | 約80 |
幅広く分散投資ができるのが強みです。
VYMを例にとると、財務優良な約400社に分散投資が可能であり、「無配」、「減配」になっても配当金に与える影響を抑えることができます。
また、定期的に自動リバランスを行ってくれるのも強みです。
但し、米国高配当ETFのデメリットとして
- 為替の影響を受ける
- 米国課税が掛かる
- 成熟企業が中心
などの課題も存在します。
このため、以下米国ETF関連記事もチェックした上で投資を検討してみましょう。
対策②日経平均高配当株50ETFに投資
続いて、日経平均高配当株50ETFについて解説します。
日経平均高配当株50ETFとは?
本ETFに投資をすることで国内優良企業50社に分散投資が可能。
このため、「日本株に分散投資をしたい」と考える方におすすめです。
対策③単元未満株を活用した分散投資
1株から購入できる単元未満株を活用したマイポートフォリオを作る方法です。
マイポートフォリオのメリットは以下の通り
- セクター分散が可能
- 不祥事株を排除できる
- 株主優待が貰える
景気敏感株への投資比率を抑えたい方にもおすすめです。
また、100株に到達することで日本株の魅力である「株主優待」を受け取ることができるのも強みと言えます。
但し、マイポートフォリオにもデメリットがあり
- 投資銘柄数により毎月の投資額が増加する
- リバランスは自身で行う必要がある
仮に1株平均2,000円の銘柄50社に毎月投資をした場合「月10万円」の投資額が必要。
また、企業決算を見ながら投資対象から外すなど対応が求められます。
このため、高配当ポートフォリオのコアに
- 日経平均高配当株50ET
- 米国高配当ETF
へ投資をし、セクター分散を強める目的で単元未満株を活用するのがおすすめです。
高配当株の売り時のチェックする3つの方法
高配当株の保有銘柄が増えてくると、1つずつ情報をチェックするのは大変。
そこでおすすめの対策は以下の通りです。
- 適時開示アプリの活用
- 投資管理アプリの活用
- スクリーニングアプリの活用
順番に解説します。
①適時開示アプリの活用
実際に高配当株投資を始めたら、適時開示アプリを活用して情報収集を行いましょう。
公正な株価等の形成および投資家保護を目的とする、上場会社に義務付けられている「重要な会社情報の開示」
適時開示で公開される情報は以下の通り
①決定事項 | 新株発行、会社分割、合併、自己株式取得等 |
---|---|
②発生事実 | 事件、事故、災害、行政処分 |
③決算情報 | 決算短信、業績予想、配当予想修正等 |
例:ソフトバンク2022年3月期決算短信
例:ソフトバンク新株予約権発行
上場会社の責務として、投資家に対して投資判断材料を「適切」に開示する必要があります。
特に、決算情報は株価への影響も大きく、保有株であればいち早く確認するようにしましょう。
②投資管理アプリの活用
最新の保有資産情報をチェックできるよう、投資管理アプリを活用するようにしましょう。
「マネーフォワードME」は家計簿アプリ利用率NO.1、利用者1,400万人超えの大人気アプリ。
- 収入と支出の見える化
- 複数の銀行や証券会社の口座の一元化
- 受け取った配当金を確認
既に多くの投資家が利用している無料アプリのため、積極的に活用することをおすすめします。
株価を定期的にチェックを行い、大きな動きがあった場合適時開示を確認するのが大切です。
マネーフォワードME
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③スクリーニングアプリの活用
高配当株の売り時を判断する方法として、スクリーニングアプリを活用したファンダメンタルズ分析を行いましょう。
ファンダメンタル分析に活用される代表的指標は以下の通り
PER(株価収益率) | 15倍以下なら割安 |
---|---|
PBR(株価純資産倍率) | 1倍以下なら割安 |
ROE(株主資本利益率) | 10%以上が目安 |
その他にも、競合企業との差別化や利用者の口コミなど数値では現れない部分も確認が必要です。
スクリーニングと聞くと難しく感じる方もいますが、無料で使える便利ツールがあるので以下記事も合わせてチェックをおすすめします。
高配当株の売り時【まとめ】
本記事では「高配当株の売り時」をテーマに損切り、利益確定を検討するべき5つの条件を解説しました。
高配当株の売り時を考えるポイントは以下の通りです。
高配当株の売り時に明確な答えはありません。
投資家それぞれ考えるべき判断ポイントであり、本記事を参考にマイルールを設定するようにしましょう。
特に、「無配」及び「企業不祥事」は長期的に株価低迷が続く可能性があり損切りを判断するタイミングと言えます。
また、ETFや単元未満株アプリを活用した分散投資もおすすめの方法です。
以上、高配当株の売り時まとめでした。
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