本記事では、米国債券ETF「TLT」の買い時だけでなく注目されている理由と購入する際の注意点を解説します。
債券ETF「TLT」は、楽天証券「米国ETF売買代金ランキング」で7位を獲得。
※2024年8月時点
SPY、VYM、SPYDなど不動の人気を誇る米国ETFを抑えての上位であり、現在高い注目を浴びています。
多くの投資家から人気というのは、ETF購入動機の1つですが正しく特徴や買い時を理解することが大切です。
本記事を参考にTLTの詳細を理解しておきましょう。
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米国債券ETF「TLT」とは?5つのポイントで解説
まずは、基本として米国債券ETFである「TLT」の基本をチェックしましょう。
①「TLT」特徴
TLTは、残存期間20年以上の米国債に構成される指数に連動する投資成果を目指すETFです。
iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF
デフォルトリスクの低い、米国債券に手軽に投資できる点は強みです。
20年以上と残存期間が長く、金利変動の感応度が高いのも強みと言えるでしょう。
②「TLT」組み入れ比率
TLT組み入れ銘柄は以下の通りです。
※2024年8月時点
残存期間 | 保有比率 |
15‐20年 | 4.22% |
20‐30年 | 94.18% |
キャッシュ | 1.61% |
20年超えの米国債に94%以上投資されています。
信用格付け「AA(信用力は極めて高く、優れた要素がある)」債券に100%投資されており、デフォルトリスクが低い点は強みです。
③「TLT」経費率
TLTの経費率は「年0.15%」です。
「100万円を投資した場合年間約1,500円」と格安の手数料で運用できる点は強みと言えます。
銘柄名 | 信託報酬 |
---|---|
VOO(S&P500) | 0.03% |
VTI(全米株式) | 0.03% |
VT(全世界株式) | 0.07% |
人気米国ETFと比較しても、引けを取らない割安な手数料設定です。
④「TLT」分配利回り、分配月
分配月 | 毎月 |
---|---|
分配利回り | 3.70%/年 |
TLTの分配利回りは3.7%と高い配当利回りは魅力です。
また、毎月分配金が受け取れる点も人気の理由と言えるでしょう。
⑤「TLT」株価推移
TLTの株価推移は以下の通りです。
※2024年8月16日時点
2020年コロナショックからの経済回復を目的に、FRBによる金利引き下げが行われたことで一時171ドルを付けています。
直近3年では、金利引き上げが行われており価格は下落傾向である点は理解しておきましょう。
「TLT」が注目されている3つ理由(メリット)
現在「TLT」が注目されている理由は以下の通りです。
①長期金利引き下げに期待
2020年コロナショック以降、経済回復を目的に「ゼロ金利」と「量的緩和」を実施。
結果、米国の景気は急回復し予想を超えるインフレ率を付けていました。
FRBはインフレ抑制策として長期金利の引き上げを行い、債券価格の下落に繋がっている現状です。
一方、2023年12月FRB会見では、「政策金利が引き締め局面のピーク」、「インフレ及び失業率の上昇は緩和」と発言しており、今後長期金利の引き下げが期待されています。
結果として、TLTの価格上昇が期待されている状況です。
②株との逆相関が期待できる
株式と債券は基本的に逆相関の関係にあります。
- 債券が上がれば株価が下がる
- 株価が下がれば債券が上がる
このため、守りに強いポートフォリオを作りたい投資家は、資産の一部でTLTを購入しておくのが良いでしょう。
TLTは価格変動が限定的であるため、インカムゲイン(配当益)の資産として配当利回りの底上げにおすすめです。
③長期チャートで見ても安い株価
TLTは長期チャートで見ても価格が低い水準にあります。
2003年から長期で見ても低い水準にあることが分かる
このため、FRBの金利引き下げ予測と合わせて注目が集まっています。
「TLT」の買い時を判断する3つの材料
TLTの上昇を期待する場合「FRBによる金利引き下げ」が主な要因です。
そもそも、未来を予測する行為でありヘッジファンドはもちろん、インフルエンサーであれ適切な買い時を判断することは誰にもできません。
明確な答えは無いもTLTの購入を検討する場合、FRBが金利引き下げを判断する主な材料は正しく理解しておきましょう。
①消費者物価指数(CPI)
米労働省労働統計局(BLS)が毎月発表する、米国のインフレ率を知るための重要な経済指標
毎月15日前後に発表される重要な経済指標の1つです。
米国都市部の消費者が購入する商品やサービスの価格の変化を調査して指数化したデータになります。
コロナショックに対する金融緩和により、2022年高い数値を付けましたが金利引き上げにより下落傾向です。
CPIはFRBによる金利引き下げを判断する材料であるため、定期的にチェックすることが大切と言えるでしょう。
②米国雇用統計
アメリカの雇用の情勢を調査した統計(失業者及び就業者)であり、最も重要な経済指標の1つ
細かな発表内容は以下の通りです。
指標内容 | 条件 |
失業者 | 労働力人口(16歳以上の働く意志を持つ人達)のうち、失業者の占める割合 |
非農業部門雇用者数 | 農業部門を除く産業分野で、民間企業や政府機関に雇用されている人の数 |
米国雇用統計における、TLTへの影響を図にすると以下の通りになります。
雇用の改善は、「賃金上昇→景気改善」となりインフレ率の上昇に繋がります。
結果として、金利引き上げ判断に繋がるためTLTにとってはネガティブと言えるでしょう。
③為替動向に注目
TLTは米国債券ETFであるため、価格だけでなくドル円の影響も軽視できません。
雇用統計の悪化は、政策金利の引き下げが予測され「円買い、ドル売り」に繋がる
※重要な経済指標であるため、ドル円が1円以上変動することも珍しくない
雇用統計の悪化は、TLTの上昇に繋がるが円高に振れる点は課題にある
このため、ドル円の動向を予測しながらTLTの買い時を判断するのが大切です。
米ドルでの購入も可能であるため、円→ドルへ事前に変更しておき購入タイミングを待つのも良いでしょう。
「TLT」を購入する際の3つの注意点
TLTの購入を検討する際の注意点は以下の通りです。
注意点①新NISAに非対応
TLTは新NISAに非対応であり購入することができません。
このため、分配金、売却益に税金が発生する点は注意が必要です。
米国株の分配金には「二重課税」が必要
結果、受け取り額は約72%に減少する点は理解しておこう
米国課税 | 日本課税 | |
配当課税 | 10% | 20.315% |
譲渡益課税 | 0% | 20.315% |
新NISAを活用したい方は、米国債券ETF「EDV」の利用も検討してみましょう。
注意点②為替負けのリスクあり
多くの投資家にとって、現在米国債券が低い水準にあることが理解されています。
但し、米国債の買いが進まない理由として為替が課題と考える方は少なくないでしょう。
いくら債券価格が上昇しても円高に振れた場合、為替負けが発生してしまう点は課題です。
債券投資は株式と比較して、ボラティリティが低く為替負けしやすい投資商品
このため、米国債券にレバレッジを掛けた「TMF」についても正しく情報を抑えておくのが良いでしょう。
注意点③パフォーマンスは株式に劣る
純粋なパフォーマンスでは、債券は株式にアンダーパフォームする点は理解しておきましょう。
VOO(S&P500)とTLTのパフォーマンス比較
2020年以降パフォーマンス差が拡大している点は課題と言えます。
一方、コロナショック時は債券価格が大きく上昇している点は、株式との逆相関の関係にあり守りに強いポートフォリオを作るのに最適と言えるでしょう。
「TLT」投資に最適な投資情報アプリ
TLTへの投資を行う場合、上記で解説した通り重要指標及びFRBの会見をチェックする必要があります。
一方、米国市場であるため「情報収集の仕方が分からない」という方も少なくないでしょう。
そんな方におすすめなのが財務分析アプリ「moomoo」の活用。
「moomoo」は、2022年10月27日誕生した新しい次世代型金融情報アプリです。
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TLTの長期チャートをチェック
注文及び約定分析をチェックすることもできます。(トレンドの把握が可能)
また、TLTに重要な情報である経済指標、FRBの会見情報を手軽に収集することが可能です。
スマホの通知機能を活用すれば、速報を受け取れる点も魅力。(TLT→ニュースをタップ)
その他、「銘柄スクリーニング」、「ヒートマップ」など株のトータル管理に最適と言えるでしょう。
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米国債券ETF「TLT」の買い時とは?【まとめ】
本記事では、米国債券ETF「TLT」の買い時だけでなく注目されている理由と購入する際の注意点を解説しました。
TLTは、デフォルトリスクの低い米国債券に投資ができるETFです。
株式と比較してマイルドな価格推移かつ3%以上の分配金を受け取れる点が魅力と言えます。
また、株式に対して逆相関の関係にあるTLTを一部保有し、自身のポートフォリオの分散性を高めるのにも有効てす。
以上、「TLT買い時、注意点」まとめでした。
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