本記事では「米国債券」をテーマにメリットだけでなく、購入する際のデメリットを解説します。
米国債券は「日本国債と比較して高い利回り」、「世界一の時価総額を誇る信用力」が魅力。
デフォルトリスクが極めて低い米国債券への投資を検討している方も少なくないでしょう。
債券投資はミドルリスク・ミドルリターンの投資商品であり、株式と比較して安全資産と言われてます。
このため、リスク許容度が低い投資家にもおすすめの金融商品です。
但し、米国債券にはメリットばかりでなく注意するべきデメリットが存在し、元本保証と思って投資をすると想定以上に損失を出してしまう場合があります。
このため、購入する前に米国債券のメリット、デメリットを正しく理解しておきましょう。
【当サイト推薦】moomoo証券アプリ
テクニカルデータやシグナルも無料で閲覧可能(新たな買い時を判断するの最適)
取引ツールとしても優秀であり、業界最安水準の手数料でサービスを提供している点も魅力。
現在、大盤振る舞いの口座開設キャンペーンが開催されており、当選した株の買付代金を受け取ることができます。
最大10万円相当貰えるお得なキャンペーンも上手く活用して、買付資金を確保してみましょう。
米国債券とは?
まずは米国債券の基本をチェックしましょう。
アメリカ合衆国(米国財務省)が発行する債券
政府が元本の支払い(償還)を行うため高い信用力がある
世界一の時価総額を誇る、アメリカ合衆国が発行元の債券です。
デフォルト(債務不履行)リスクが極めて低く、高い信用力が魅力と言えるでしょう。
このため、安定した収益が期待できる安全資産として注目されています。
また、米国債券の利回りは米国の金融政策や景気動向など、世界的なマクロ経済指標として活用されることも少なくありません。
米国債券の種類
米国債券の種類は大きく分けて2種類です。
- 利付債
- ゼロクーポン債(ストリップス債)
それぞれ利払いの方法に違いがあります。
①利付債
利付債とは、年に2回利払い日に利子を受け取る債券です。
定期的に利子が貰えるのが魅力と言えるでしょう。
②ゼロクーポン債(ストリップス債)
ゼロクーポン債とは、利子の支払いがない代わりに、額面よりも低い価格で発行される債券です。
満期時にまとめて額面金額で償還を受け取ることができます。
割引された債券を購入できるため、少ない初期投資で債券が購入できるのが魅力と言えるでしょう。
米国債券は償還期限に応じて名称が変わる
- トレジャリービル(1年以内)
- トレジャリーノート(1年~10年以内)
- トレジャリーボンド(10年以上)
新発債、既発債
債券は、新規に発行された「新発債(しんぱつさい)」だけなく、セカンダリーマーケットでも購入することができます。
既発債(きはつさい)と呼ばれ、流通市場で日々変動する価格の債券を購入。
債券は、金利と相関関係になるため市場価格によっては、高い利回りを得ることも可能です。
米国債券の4つの魅力(メリット)
米国債券のメリットは以下の通りです。
メリット①日本国債と比較して金利が高い
米国債券は、日本国債と比較して高い金利を受け取ることができます。
※2024年9月時点
銘柄 | 年利回り |
---|---|
米国10年国債 | 3.644% |
日本10年国債 | 0.850% |
ドイツ10年国債 | 2.126% |
豪10年国債 | 3.848% |
NZ5年国債利回り | 3.740% |
カナダ10年国 | 2.896% |
日本国債は、安全資産であるも低金利の現在投資先としての魅力は高くありません。
一方、米国債券は3.5%を超える利回りを得ることが出来る点は魅力と言えるでしょう。
メリット②信用力が高い
債券には、格付け機関による信用格付けが用意されています。
投資適格 |
AAA | 債務を履行する能力が極めて高い |
---|---|---|
AA | 債務を履行する能力が非常に高い | |
A | 上位2つに比べて、経済環境の影響を受けやすい | |
BBB | 債務履行能力は十分だが、経済環境の悪化の影響を受けやすい | |
投資不適各 |
BB | 経済環境の悪化の場合に、債務履行能力が不十分になるリスク有り |
B | 経済環境の悪化で、債務履行能力が不十分となる可能性が高い | |
CCC | 債務不履行となる可能性を持ち、債務履行能力は財務経済状況に依存 | |
CC | 債務不履行となる可能性が非常に高い | |
C | 現在、破産法に基づく申請中だが、債務に基づく支払いは継続中 | |
D | 債務不履行に陥っている |
BBB以上が「投資適格」とされ、債務不履行リスクが低く信用度が高い債券とされている
また、格付け会社によって評価が異なる場合がある
米国債券は、S&P「AA+」、Moody’s「Aaa」と信用度が高い評価がされています。
このため、債務履行能力が高く安心して投資できる点はメリットと言えるでしょう。
メリット③流動性が高い
債券に投資をするにあたり、「流動性」も大切なポイントです。
流動性がある債券は、市場において売買がすることが容易となります。
米国債券は市場での需要と供給が均衡しており、価格変動が比較的穏やかである点は投資家にとってメリットと言えるでしょう。
新興国債券は高い金利を提供している
但し、信用格付けが低く債務不履行リスクが高い
流動性も低く売りたい価格で売れない場合がある点は注意
メリット④守りに強いポートフォリオが組める
米国債券を組み入れることで「守りに強い」ポートフォリオを作ることができます。
以下、S&P500(水色)と米国債券ETF(青)の比較チャートです。
2020年3月に発生したコロナショックでは株式市場が40%を超える暴落。
債券ETFであるAGGは下落幅がマイルドであり安定した推移です。
このため、保有資産の下落を抑える守りの資産としてポートフォリオに組み入れるのも良いでしょう。
満期まで米国債券を保有すれば、額面で買い取りをしてくれる点が魅力
「米国債券は買ってはいけない」と言われる6つのデメリット
米国債券のデメリットは以下の通りです。
デメリット①為替リスク
米国債券は、発行体であるアメリカ政府がデフォルトを発表しない限り、元本保証である点が魅力です。
但し、米国債券は米ドルでの購入が必要なため為替リスクが存在します。
以下、米ドル/円2014年~2023年チャート
- 2014年:101円
- 2023年:151円
過去10年間で見ても大きなボラティリティとなっています。
このため、購入時より大きく円高に振れた場合元本を下回るリスクがある点は正しく理解しておきましょう。
米国債券を購入する前に為替レートによる損益分岐点を確認することが大切
利率、償還日、価格などを入力し将来的な予測を加味してシミュレーションをしよう
デメリット②価格変動リスク
米国債券を満期前に売却する場合、セカンダリーマーケットの価格変動によって損失が発生する可能性があります。
このため、満期前に売却をする場合、証券会社の売却単価を確認するようにしましょう。
(参考)SBI証券売却方法
デメリット③金利上昇リスク
債券価格は金利と逆相関の関係にあり、市場金利が上昇した場合債券の価格は下落します。
金利上昇:債券下落
金利下落:債券上昇
日本証券業協会より引用
2023年米国シリコンバレー銀行は破綻を発表
シリコンバレー銀行は米国債券を多数保有しており、金利上昇に伴い大幅な含み損の状態にあった
主要顧客のIT企業が業績悪化で運転資金を確保しようと多額の預金引き出しを実施
結果、シリコンバレー銀行は含み損状態の債券を売らざるを得ない状況になり破綻した
米国債券は、安全性の高い投資商品であるも途中解約のリスクについて、しっかりと理解しておきましょう。
デメリット④インフレに弱い
債券のインフレリスクには注意が必要です。
インフレ率が一定のレベルを超えると、消費抑制を目的に金利の上昇を発表。
2022年においても、米国連邦準備理事会(FRB)による金利引き上げニュースを見た投資家も少なくないでしょう。
また、実質的な債券価値下落にも注意が必要です。
年利回り3%の米国債券を1,000ドル購入
インフレーション率が年5%に上昇した場合、満期で1,030ドル受け取っても投資家の実質的な資産価値は下落する
インフレリスクに強い資産は、「株式」はもちろん「金」、「不動産」などの現物資産と言われています。
このため、米国債券だけでなく複数の資産に分散投資をするようにしましょう。
(参考)【重要】理想的なアセットアロケーションとは?6つポイントで解説
デメリット⑤政治的リスク
米国債券は、アメリカ政府が発行した債券です。
このため、政治的な紛争や外交問題が起こった場合、債券価格の下落に繋がる可能性があります。
但し、世界一の時価総額を誇る米国であるため、デフォルトリスクは極めて低いと言えるでしょう。
デメリット⑥株式と比較して利回りが低い
債券には魅力があるも、株式と比較してパフォーマンスが劣ります。
以下グラフは、1802年に1ドルを、「株式、長期国債、短期国債、金、現金」のまま保有した場合、「200年後それぞれいくらになっているか?」をグラフにしたものです。
200年後の結果は以下の通り
- 株式:700,000倍
- 長期国債:1,800倍
- 短期国債:280倍
- 金:4.5倍
- 現金:0.05倍
債券は株式のパフォーマンスと比較すると見劣りする結果です。
このため、若年層を中心としたリスク許容度が高い投資家であれば、株式比率を上げるのが良いでしょう。
米国債券の買い方【大手ネット証券3社】
米国債券の買い方について、大手ネット証券3社から買い方を解説します。
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
①SBI証券
上部タブ「債券」→「外貨建債券」を選択
新発債or既発債を選択
※100米ドルから購入可能
ストリップス債or利付債、償還日、利回りなどを参考に米国債券を選択しましょう。
短期~長期まで多数の米国債を取り扱っているのがSBI証券の強みです。
\米国債券のランナップが魅力/
②楽天証券
上部タブ「債券」→「外貨債券」を選択
※100米ドルから購入可能
取扱いの債券数が限定的であるため注意しましょう。
\リアルタイム1株投資に対応/
③マネックス証券
上部タブ「債券」を選択
※100米ドルから購入可能
SBI証券同様、償還日別に多数の米国債券を取扱いしています。
マネックス証券は細かな企業分析に対応した「銘柄スカウター」が利用できます。
2007年から長期の売上、利益、EPSに対応。
リーマンショック時の業績推移もチェック可能。
企業のセグメント別売上構成も確認できます。
投資企業の主力ビジネスをチェックしてみましょう。
\銘柄スカウターが人気/
米国債券に対応したETF【AGG、BND】
米国債券への投資を検討している投資家は、債券ETF「AGG、BND」の活用も検討してみましょう。
AGG、BNDは10,000以上の米国債券に分散投資ができるETFです。
このため、特定の債券がデフォルトした際リスクを抑えることができます。
格付 | AGG | BND |
AAA | 2.99% | 3.70% |
AA | 71.37% | 70.10% |
A | 12.01% | 12.70% |
BBB | 12.96% | 13.50% |
どちらも、信用力が極めて高い「AA」以上の債券に7割以上投資。
AGG、BND比較表は以下の通り
※スマホの方はスライドできます
ティッカー | AGG | BND |
運用会社 | ブラックロック | バンガード |
ベンチマーク | バークレイズ米国 総合インデックス |
バークレイズ米国総合 浮動調整インデックス |
設定日 | 2003年9月22日 | 2007年4月3日 |
組入銘柄数 | 11,282銘柄 | 10,719銘柄 |
純資産総額 | 992億ドル (2023年12月) |
1,034億ドル (2023年12月) |
配当利回り | 3.43% |
3.29% |
経費率 | 0.03% | 0.03% |
配当スケジュール | 毎月 | 毎月 |
最新株価 | こちらをクリック | こちらをクリック |
守りに強いポートフォリオを組みたい方は、債券ETFとして高い人気を誇るAGG、BNDの購入も検討してみましょう。
米国株の財務状況を手軽に調べる方法
米国株には魅力があるも、英語というハードルがあり「手軽に財務分析ができない」という悩みを持つ方が少なくありません。
そこで、おすすめなのが財務分析アプリ「moomoo」の活用。
「moomoo」は、2022年10月27日誕生した新しい次世代型金融情報アプリです。
日本での知名度は高くありませんが、世界では2,100万人以上のユーザーがmoomooのアプリを利用。
革新的なサービスとして世界の投資家に認められているツールです。
①米国株、香港株のスクリーニング
②米国株の財務分析
③米国株のシミュレーション取引が可能
moomooに銘柄登録することで、リアルタイムの株価を手軽に確認。
企業分析に強く、企業名をタップすれば財務分析を行うことができます。
アプリを活用すればデモトレードを始めることも可能。
お金を掛けずに米国株を体験したい方におすすめです。
その他、「銘柄スクリーニング」、「ヒートマップ」など株のトータル管理に最適です。
現在国内での利用者が急増している金融情報アプリ
口座開設不要ですぐに財務分析ができるため、一度使用感をチェックしてみよう
➤「moomoo証券」を無料でダウンロードする
※IDを取得すればすぐに利用できます
moomoo
posted withアプリーチ
「米国債券は買ってはいけない」デメリット【まとめ】
本記事では「米国債券」をテーマにメリットだけでなく、購入する際のデメリットを解説しました。
米国債券には、「高い信用力」、「高い利回り」など多くの魅力があります。
また、満期まで保有すれば元本保証で利回りを受け取ることができるのもメリットです。
但し、為替リスク、金利上昇リスクなど正しくデメリットも理解しておきましょう。
米国債券を組み入れることで、守りに強いポートフォリオを作ることができます。
このため、債券ETF(AGG、BND)も参考にポートフォリオの一部で購入するのもおすすめです。
以上、米国債券ETFメリット、デメリットまとめでした。
【関連記事】レバレッジ債券ETF「TMF」について解説しています。
【関連記事】「外貨預金」をテーマに注意するべきデメリットを解説しています。
【関連記事】資産配分を決めるおすすめのシミュレーションツールを紹介しています。